がんをわずらった患者さんは、がんと闘わなければなりません。もちろん、大半の患者さんは自ら「闘おう」と決意するでしょう。しかし中には、医師から「一緒に闘いましょう」と促されて「闘います」と言う人もいます。
普通の病気を治すときは、医師は患者さんに闘うことまでは要求しません。しかし、がんは強敵なので、医師としては「患者さんにも闘ってもらわなければ困る」わけです。
がんをわずらって体調が優れない中、闘わなければならないので、がん患者さんの負担は増すばかりです。
そしてがん患者さんは、抗がん剤の副作用というもうひとつの敵とも闘わなければなりません。
抗がん剤の副作用について詳しく解説した上で、抗がん剤が「がん治療の邪魔になっている」実態も紹介します。
そしてさらに、末期がんの患者さんに使われながら「副作用がない」コロイドヨードという代替療法もあわせてみていきましょう。
抗がん剤の副作用の種類
抗がん剤を製造している製薬メーカー「ファイザー」は、自社の公式サイトで「がんとつきあう」という特集を組み、副作用について詳しく解説しています。
この情報をベースにしながら、現場の医師の見解を加えて、抗がん剤による副作用の全体像を浮き彫りにしてみます。
疲労
がんが進行した患者さんの75%が、がん関連疲労に悩まされています。がん関連疲労は、労働や運動による疲労と異なり、十分休養を取っても解消できず、しかも長期化します。
がんが疲労を生むこともありますが、抗がん剤や放射線療法などの治療によって疲労が強まることもあります。
がん関連疲労の直接的な原因は解明されていませんが、1)がん細胞が生み出す物質が影響を及ぼしている、2)抗がん剤の副作用や治療へのストレスなどが関連している、と考えられています。
下痢と便秘
下痢と便秘は、大腸がんを発症した患者さんに出やすい症状です。抗がん剤の副作用として下痢になることもありますが、がんによって免疫力が低下して、細菌やウイルスに感染しやすくなって起きることもあります。
健康な人が下痢を起こさないのは、便が大腸のなかをゆっくり通過するからです。大腸が便の水分を吸収するので、ちょうどよい硬さの便になるのです。
しかし、大腸がん患者さんが抗がん剤を使うと大腸の機能に支障が起きて便が大腸を速く通過してしまうので、便の水分がほとんど奪われず水のような便(水様便)になってしまいます。これが下痢です。
抗がん剤の影響で、便がなかなか大腸を通過しないことがあります。そうなると今度は便の水分が奪われすぎて硬くなりすぎて便秘になります。下痢と便秘を繰り返すがん患者さんもいます。
口の中の痛み
抗がん剤の副作用で口の中(口腔内)に痛みが走ったり炎症が起きたりすることがあります。
口腔内の健康を保っているのは、口の中の表面の粘膜にある細胞です。粘膜の細胞は活発に分裂、増殖をすることで、口の中の細菌の繁殖を抑制しています。
ところが抗がん剤によって口の中の細胞が破壊されたり、または唾液が出づらくなったりします。それで細菌が増えやすくなったり炎症が起きやすくなったりしてしまうのです。
抗がん剤治療を受けている患者さんが喋りにくくなったり食欲が落ちたりするのは口の中が正常でないからです。
高血圧
抗がん剤の副作用としての高血圧は、以前は軽度なものでした。ところが血管新生阻害薬やマルチキナーゼ阻害薬という薬が登場し、高血圧が高頻度に生じるようになりました(*)。
高血圧は脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを高めることから、がん患者さんは高血圧の検査や治療を受けることになります。
吐き気、嘔吐
吐き気や嘔吐は、抗がん剤の代表的な副作用であり、患者さんを特に苦しめます。
吐き気や嘔吐は、本来は自己を守る機能です。毒を飲んだときに脳の嘔吐中枢が働き、吐き気や嘔吐を引き起こすことで毒を体外に出そうとします。
ところが抗がん剤を使うと、毒が体内に入るといった異常事態が起きていないにもかかわらず、脳の嘔吐中枢が刺激され「必要のない」吐き気や嘔吐を引き起こすのです。
皮膚障害
抗がん剤を使い続けていると、皮膚や爪に、発疹、紅斑、色素沈着、乾燥、変形などの異変が現れます。また手足症候群という、手のひらや足の裏にピリピリした痛みが走る症状を引き起こすことがあります。
抗がん剤によって皮膚や爪の細胞がダメージを受け新陳代謝が行われなかったり、皮膚や爪の細胞に栄養や酸素が届かなかったりして障害されます。
脱毛
脱毛も吐き気・嘔吐と並んで抗がん剤の代表的な副作用です。放射線療法でも脱毛することがあります。
がん細胞は通常の細胞より活発に活動する特徴があります。そこで抗がん剤は、活発な細胞を攻撃するように設計されます。
そして毛髪の細胞である毛母細胞も、健康であってもその他の細胞より活発に細胞分裂を行います。したがって抗がん剤ががん細胞と間違って毛母細胞を攻撃してしまうのです。その結果脱毛が生じます。
抗がん剤の使用を止めると、毛が生えてきます。
骨髄抑制
骨髄とは骨のなかにある組織で、血液の成分である白血球や赤血球、血小板などをつくり出しています。抗がん剤によって骨髄のこの働きが抑制されることがあり、それが骨髄抑制という副作用です。
骨髄抑制が起きると、外敵から体を守る白血球が減るので、感染症にかかりやすくなります。抗がん剤を受けている患者さんが発熱しやすいのはそのためです。
骨髄も髪の毛の毛母細胞と同じように活発に細胞分裂を繰り返す細胞でできているので、抗がん剤によって攻撃されやすいのです。
リンパ浮腫(むくみ)
リンパ浮腫は、がんの手術で、がんが転移したリンパ節を切除(リンパ節郭清)することで生じる副作用です。抗がん剤による副作用ではありませんが、手術と抗がん剤はセットで行われることがあるので、ここで紹介します。
リンパ浮腫は、本来はリンパ管やリンパ節のなかを流れていくリンパ液が、なんらかの支障が起きて滞留してしまうことで起きます。そのため皮膚が「パンパンに」膨れてしまいます。
手術でリンパ節を切除してしまうとリンパ液が流れる先を失うことになり、むくみが生じます。
副作用はどのように治療を妨げるか
副作用は、がん治療を妨げます。例えば、疲労や嘔吐や骨髄抑制などで体力が消耗されたうえに感染症を発症すれば、それは新たな病気にかかったようなものです。したがって患者さんは、その治療にも取りかからなければなりません。
心臓病を引き起こす抗がん剤もある
さらに抗がん剤のなかには、心臓に悪影響を及ぼすものがあり、投与直後から1年以内に心臓病を引き起こすものもあります。心臓病はがん細胞とは関係なく患者さんの命を奪うので、こちらもがん治療とは別に心臓関連の治療を始めなければなりません。
欧米では心臓病のリスクを抑えたがん治療のガイドラインをつくっていますが、日本ではまだ対策に乗り出していません。
抗がん剤治療は微妙なバランスの上に成り立っている
このように副作用は、がん細胞とは「別ルートで」患者さんを苦しめます。
したがって医師は、抗がん剤によるがん治療効果と副作用による悪影響のバランスを取りながら治療を続けなければなりません。
まさしく「綱渡り」状態といえ、右に傾けば右に落下してしまいますし、左に傾けば左に落下してしまいます。
コロイドヨードは「副作用がない」
コロイドヨードは、がん関連学会や厚生労働省などが認めた正式ながん治療薬ではありません。しかし、それでも少なからぬ医師が末期がん患者さんにコロイドヨードを使うのは、効果も去ることながら「副作用がない」からです。
副作用という言葉は、厳密には医薬品に対して使われる言葉です。したがって医薬品に認定されていないコロイドヨードには、言葉上、副作用が存在しません。
そして、単なる言葉の問題ではなく、コロイドヨードを内服したり点滴投与したりしても、痛みも吐き気も抜け毛も起きません。
コロイドヨードはがんを叩かない?
コロイドヨードも末期がん患者さんの治療に使われているのに、そして、コロイドヨードも抗がん剤と同じように内服したり点滴投与したりするのに、なぜ副作用がないのでしょうか。
それは抗がん剤のがんの叩き方と、コロイドヨードのがんに対するメカニズムが異なるからです。
抗がん剤は「とにかく叩く」方法でがん細胞に攻撃をしかけます。したがってその攻撃が正常細胞に及んでしまうことがあります。正常細胞は健康を維持しているので、正常細胞が攻撃されると健康が阻害されます。これが副作用です。
コロイドヨードはがん細胞を叩きません。したがって、正常細胞も叩きません。だからコロイドヨードを飲んでも健康が悪化しないのです。
ではどのようにコロイドヨードはがんに対しているのでしょうか。
正常細胞を活性化させて体の機能を高めてがんを叩く
コロイドヨードは、正常細胞を活性化させて体の機能を高めているのです。コロイドヨードはさらに、活性酸素などの体内の有害物質を体外へ排出するのをサポートします。
つまりコロイドヨードは、警察官を増やして悪人を駆逐し、善良な市民を守ります。
一方の抗がん剤は爆弾のようなもので、悪人を殺すこともできますが、善良な市民も殺してしまうかもしれません。
まとめ~コロイドヨードを取り扱う医師を探しましょう
すべてのがん治療医がコロイドヨードをがん患者さんに提供しているわけではありません。したがって、コロイドヨードを試したい方は、まずはコロイドヨードを取り扱っている医師を探さなければなりません。
インターネットで「コロイドヨード、地域名(お住いの市など)、クリニック」を検索するだけでクリニックを探すことができます。