コロイドヨード療法の費用は自由診療で保険が適用されないため、どれだけ費用が掛かるかが心配というのも当然です。
がんになったら治療費だけでなく、治療のために働けなくなった場合の生活費や何かと余分な出費がかさみます。
そこで今回は、主ながん治療とコロイドヨード療法の費用がいくらかかるのかを、わかりやすくお伝えしたいと思います。
3大療法の費用
がんの種類 | 平均入院日数 | 入院費用(1日) | 入院費用(窓口総支払額) |
---|---|---|---|
胃がん | 19.3日 | 約14,400円 | 約278,000円 |
肝臓がん | 18.8日 | 約14,880円 | 約280,000円 |
結腸がん | 16.6日 | 約15,610円 | 約259,000円 |
直腸がん | 20.5日 | 約17,110円 | 約351,000円 |
乳がん | 12.5日 | 約16,870円 | 約211,000円 |
子宮がん | 13.7日 | 約15,999円 | 約219,000円 |
※「入院外でかかる費用」には、食事代や生活費も含まれます
※厚生労働省 医療給付金実態調査平成26年度 患者調査より算出
健康保険には、手術や入院などにより1ヶ月の自己負担額が一定を超えないように、高額療養費制度というものがあります。高額療養費制度は負担上限が決められており、自営業の国民健康保険でも会社員の健康保険でも利用できる制度です。自己負担額は20万から30万ほどです。実際には高額療養費制度があるため、公的保険の範囲内での治療費に関しては、実質、月9万円程度が上限になります。
高額療養費制度の上限金額は月単位であり、ひと月の出費は9万円程度で済んだとしても次の月にも同じだけかかった場合、総額では18万円ということになります。
そして、三大療法は長期間の治療になりがちだということに注意しなくてはなりません。
例えば、抗がん剤は3~4週間をワンセットにして治療を行います。抗がん剤には耐性というものがあり、1回目の投与で効果があった薬でもいずれ効かなくなってしまう時が来ます。耐性ができたと判断されると違う薬に変更されて、また1クール目から行なうことになります。時には高価な新薬の使用や、保険適用外の未承認薬を使用し、長期にわたって高額な治療費を払う場合もあります。
この費用はあくまで平均であり、近年、お金のかかる新薬が次々に登場しているため、抗がん剤治療にかかるお金も上昇しています。
また、入院が長引けば仕事をする時間も取れず、経済面でも心配になりますよね。
主な先進医療の費用
先進医療技術名 | 平均費用 |
陽子線治療 | 約268万円 |
重粒子線治療 | 約308万円 |
自己腫瘍・組織及び樹状細胞を 用いた活性化自己リンパ球移入療法 |
約397万円 |
内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術 | 約26万円 |
※厚生労働省 第38回先進医療会議資料 平成27年度実績報告より算出
がんの先進医療といえば、陽子線治療や重粒子線治療が有名ですが、どちらも技術料が300万円ほどになります。免疫療法についても1クールで100万円を超える治療費になることも珍しくありません。
自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法とは、がん細胞を免疫により異物と判断し、排除する免疫療法という治療法です。しかし、免疫が弱まった状態や、がん細胞が免疫の働きを抑制することがあり、がん細胞を異物として排除しきれないことがあります。
内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術は、甲状腺がんの手術に内視鏡を使用した治療のことです。甲状腺がんの手術では首を大きく切開する方法が一般的ですが、内視鏡を用いることで、傷跡が小さくなり、術後の痛みや皮膚の引きつれなどの違和感が少なくなります。
先進医療は健康保険適用前の治療法なので、本来ならかかった医療費が全額自己負担になりますが、例外的に三大療法との混合診療が認められています。
今は健康保険の適用はないですが、保険診療部分(診察、検査、投薬、入院料など)を3割負担にして、先進医療の技術料部分は全額自己負担、と言うのが現状で、金銭的な負担が大きい治療です。
コロイドヨード療法の費用
日本で取り扱っているコロイドヨードは多くはありません。
独自に調べた現時点の結果1本300ml~500mlで、31,120円~75,000円で販売している医療機関があります。1日の服用量は1回30mlを7、8回服用ですので、約2日で1本という計算になります。
合計すると、1ヵ月の費用は700,000~1,000,000円前後になりますね。
保険適用の3大療法に比べれば高いですが、先進医療などに比べればコストパフォーマンスはぐっと抑えられます。
まとめ
コロイドヨード療法の費用を見たときに、みなさんはどう思いましたか?
他の自由診療に比べれば安い!だけど、保険がきかないから経済面できつい。なんて思った方は少なくないでしょう。
その場合はやはり働きながら、または在宅ワークをしながら治療が行えるといいですよね。
コロイドヨード療法は在宅療法のため、症状によっては仕事を辞めずに働きながら行える療法です。
もし入院して、がん治療が長引けば社会復帰も長引き、経済面でもかなり大打撃になることもあります。
皆さんも今一度、自分ががんになった場合、またはがんを患っているご家族がいる場合、どの療法があっているかを費用も踏まえて考えてみてはいかがでしょうか。