5-ALA(5-アミノレブリン酸)は、生命の根源とも呼ばれるアミノ酸の一種です。

エネルギーを作り出しているミトコンドリアの働きをサポートすることから、人間が生きていくために欠かせない成分です。

  • コロナウイルスの感染予防
  • 血糖値の低下
  • 睡眠の質の改善

など、5-ALAにはさまざまな働きが期待されています。しかし、いくら5-ALAが体によいものであっても、どういう副作用があるのか気になる方も多いでしょう。

そこで今回は、5-ALAを摂取したときに起こりうる副作用や正しい飲み方、注意点などを詳しくご紹介します。

5-ALAに期待されている効果

期待の成分5-ALA

5-ALAはさまざまな効果が期待されている注目の成分です。具体的にどのような効果があるのか、まずは代表的なものを見てみましょう。

新型コロナウイルスの感染を予防する

最近もっとも注目されているのが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を予防する効果です。エボラ出血熱の治療薬であるレムデシビルや関節リウマチの治療薬であるバリシチニブなどが症状の改善に使われていますが、いまだに新型コロナウイルスに特化した治療薬は開発されていません。

そこで注目されているのが5-ALAです。5-ALAが新型コロナウイルスの感染を予防する効果があるとして、長崎大学が研究を進めています。まだ培養細胞の段階ではありますが、5-ALAを投与した培養細胞では明らかに5-ALAの感染が抑えられていたのです。

さらに驚くべきことに、5-ALAは人の細胞に対して毒性を示しませんでした。そのため副作用を限りなく抑えた新型コロナウイルスの治療薬になるのではと期待がもたれています。

このことについては、以下の記事で詳しく解説しています。

疲労感を低減させる

5-ALAはミトコンドリアの働きに深く関与していることから、体を動かすためのエネルギーを作り出すのに必要な成分です。広島大学の研究によると、日頃から疲労を感じている方に5-ALAを摂取してもらったところ、疲労感や気分の落ち込みを改善したとの結果が出ました。

参考:広島大学 大学院医系科学研究科 未病・予防医学共同研究講座

5-ALAを摂取していない方と比べて有意に改善効果が見られたため、5-ALAは身体的な疲労と精神的な疲労の両方を改善する効果があるとして注目されています。

血糖値を低下させる

軽度に血糖値が高い方を対象に、5-ALAを摂取してもらう試験が広島大学やハワイ大学の研究で行われました。その結果、血糖値の状態を示す指標となるHbA1c、空腹時や食後の血糖値が有意に改善されたのです。

これは摂取した糖が分解され吸収される前に5-ALAが糖をエネルギーに変えてしまう働きがあるためだと考えられています。

睡眠の質を改善させる

5-ALAはセロトニンを増加させる働きがあることも特徴です。セロトニンは、睡眠のコントロールを行っているメラトニンと呼ばれるホルモンを作るための材料となります。

メラトニンは夜になると分泌量が増えていき、催眠作用を示すものです。5-ALAがセロトニンを増やすことで間接的にメラトニンの量も増やし、睡眠の質を改善させる効果が期待されています。

ハワイ大学が行った研究によると、実際に睡眠の質を示すPIRS-20スコアが有意に改善させることが明らかになりました。

参考:5-ALAとは|5-ALA研究会

運動効率を上昇させる

5-ALAを使った製品の開発や研究を積極的に行っているSBIファーマ株式会社が、5-ALAと鉄を摂取することで運動効率が上がることを発表しています。5-ALAと鉄を同時に摂取することで、酸素の消費量と二酸化炭素を減らし、乳酸の値が上昇するのを抑えることができました。

これにより、運動機能の低下によって日常生活に影響が出ている高齢者のサポートに5-ALAが有効なのではと期待がされています。

参考:バイオメディカル研究所

5-ALAで起こりうる副作用

5-ALAで起こりうる副作用

新型コロナウイルスの感染を予防したり睡眠の質を改善したりする効果が期待されている5-ALA。これらの効果を期待した使い方とはまた別ですが、5-ALAはすでに癌の組織を可視化するための診断薬として使用されています。

ここではサプリメントとして5-ALAを摂取する場合と、医薬品として摂取する場合で考えられる副作用をそれぞれ見ていきましょう。

5-ALAのサプリメントで起こる可能性のある副作用

5-ALAのサプリメントでは、とくに副作用は報告されていません。サプリメントはあくまで不足している栄養素を補う食品のようなものなので、大きな副作用が出る恐れがほぼないのです。

しかし、ごくまれに体質に合わず下痢や腹痛、膨満感などの症状が出る可能性があると考えられています。

参考:ネオファーマジャパン

アラグリオで確認されている副作用

5-ALAは膀胱癌の手術をするとき、癌細胞を切除しやすいよう可視化するためにも使われている成分です。膀胱癌を可視化するための医薬品の1つとして、アラグリオが知られています。

日本で行われた臨床試験では、アラグリオを投与された123例のうち46例(37.4%)で次の副作用が報告されました。

  • AST(GOT)増加 21 例(17.1%)
  • ALT(GPT)増加 17 例(13.8%)
  • LDH 増加 12 例(9.8%)
  • 血中ビリルビン増加 12 例(9.8%)
  • γ-GTP増加 10 例(8.1%)
  • 悪心 9 例(7.3%)
  • 嘔吐 8 例(6.5%)

ASTやALT、γ-GTPや血中ビリルビンは肝臓の働きを示す指標です。値が高くなることで肝臓に負担がかかっていることを表します。LDHは肝臓や心臓の働きを示すもので、こちらも値が高くなると肝臓や心臓に負担がかかっている証拠です。

アラグリオの副作用を見ると「5-ALAは副作用が出やすいもの」と感じる方もいるかもしれません。しかし膀胱癌の手術でアラグリオを服用するときは、サプリメントとして摂取するときとは比べものにならないほどの量を摂取しなければいけません。

アラグリオの場合は、体重1kgあたり20mgの5-ALAを摂る必要があります。体重が60kgの方だと1,200mgもの5-ALAを服用しなければいけません。これはサプリメントとして摂る場合の最大48倍もの量です。

そのためアラグリオではさまざまな副作用が報告されているものの、サプリメントとして摂取する場合は神経質になりすぎる必要はないでしょう。

アラベルで確認されている副作用

アラベルは悪性神経膠腫に犯されている細胞組織を可視化するための医薬品です。日本国内で行われた臨床試験でアラベルが投与された45例のうち、11例(24.4%)で次の副作用が報告されています。

  • 悪心 3 例(6.7%)
  • 嘔吐 2 例(4.4%)
  • 発熱 2 例(4.4%)
  • 肝機能異常 2 例(4.4%)
  • LDH 増加 1 例(2.2%)
  • γ-GTP 増加 1 例(2.2%)
  • リンパ球数減少 1 例(2.2%)
  • 血小板数減少 1 例(2.2%)
  • 血尿 1 例(2.2%)

ほとんどがアラグリオと同じ副作用ですが、別に肝機能異常やリンパ球数減少なども見られています。とはいえ、アラベルも体重1kgあたり5-ALAの20mgを服用しなければいけません。5-ALAのサプリメントと比べるとかなりの量を摂取する必要があります。

そのためアラベルで起きた副作用に関しても、5-ALAをサプリメントとして摂る場合にはほとんど気にしなくて問題ないでしょう。

5-ALAの正しい飲み方

5-ALAの正しい飲み方

市販で購入できる5-ALAは、医薬品ではなくサプリメントのタイプのみです。癌治療のために使われるアラグリオやアラベルを自分で購入することはできません

それぞれ正しい飲み方で使うことで、期待している治療効果を発揮したり健康維持のサポートをしたりできます。

5-ALAのサプリメントの飲み方

サプリメントの場合、ほとんどの製品が1日に25~50mgを目安に摂取するようにとなっています。

サプリメントは医薬品とは違い、疾病を治療するものではないため、目安量より多くの5-ALAを摂取しても効果に変化がないことがほとんどです。製品によって目安量が異なるため、パッケージに記載されている量を参考に飲みましょう。

5-ALAの医薬品の飲み方

癌組織を可視化するために5-ALAを服用する場合の使い方は次のとおりです。

アラグリオの飲み方

体重1kgあたり20mgの5-ALAを膀胱鏡を挿入する3時間前に水に溶かして服用する。

アラベルの飲み方

体重1kgあたり20mgの5-ALAを手術時の麻酔を導入する3時間前に水に溶かして服用する。

アラグリオやアラベルを服用する場合、自分で量を調整することはありません。医療機関にいる看護師や薬剤師が体重にあった量を準備してくれるため、指示通りに服薬しましょう。

5-ALAを摂取するときの注意点

アラグリオやアラベルを一般に入手することはできませんが、サプリメントならドラッグストアやネット通販でも購入が可能です。サプリメントは誰でも購入できるものではありますが、いくつか注意しなければいけないことがあります。

新型コロナウイルスの予防に有効な摂取量はまだわかっていない

長崎大学の研究で5-ALAが新型コロナウイルスの感染を抑制することがわかっていますが、どれくらいの量を摂取すれば効果が見込めるのかまではわかっていません。そのため、日々の血糖コントロールや体調管理のために販売されているサプリメントと同等の量を摂取しても新型コロナウイルスの感染を予防できるかは不明です。

自己判断で市販のサプリメントを大量に摂取しても意味がないどころか、思わぬ副作用が出る可能性があるため、サプリメントを摂取する場合は目安量を守って使いましょう。

多く摂取しても効果が増大するわけではない

長崎大学の研究によると、5-ALAは摂取しすぎても吸収されず尿中に排泄されることがわかりました。そのため新型コロナウイルスの感染を予防するために自己判断でサプリメントを大量に摂取しても意味がない可能性があります。

また、感染を予防するための有効な量も現段階では明らかになっていないため、健康維持を目的としたサプリメントを摂取しても新型コロナウイルス感染を予防できるかどうかは不明です。

ポルフィリン症の方は摂取を避ける

5-ALAは体内に入った後、ヘムとプロトポルフィリンに分解されます。プロトポルフィリンはポルフィリンと構造が似ているため、ポルフィリン症の方が摂取すると症状が悪化する可能性が考えられるでしょう。

ポルフィリン症とは、ポルフィリンが皮膚や血液などに蓄積し、腹痛や運動麻痺、光線過敏症などの症状を来す疾患です。遺伝によって発症することがわかっており、2011年の全国調査の段階では63例のポルフィリン症の患者が確認されています。

現在のところ5-ALAのサプリメントを摂取してポルフィリン症の症状が悪化したという報告はありませんが、該当の方は念のため主治医に指示を仰いでから飲むようにしましょう。

5-ALAの摂取はサプリメントを活用するのが効率的

5-ALAの摂取はサプリメントを活用

さまざまな健康への効果を期待して「今日からでも5-ALAの摂取を始めてみよう」と考えている方もいるでしょう。5-ALAを効率的に摂取するためには、サプリメントの活用が便利です。

5-ALAを食品から摂取するのは現実的ではない

5-ALAは食品にも含まれている成分です。多く含まれているものとしては、トマトやほうれん草、黒酢やワインなどが知られています。しかし、これらの食品から5-ALAを10mg摂取するためにはトマトなら約102kg、ほうれん草なら約50kg以上も食べなければいけません。

参考:5-ALA公式ショップ【ALA Online】

ここまで大量に食べることは言うまでもなく不可能なことです。サプリメントならわずか1粒で25~50mgほどの5-ALAを摂取できます。健康維持のために5-ALAを摂取したい方はサプリメントを活用したほうが効率的です。

5-ALAの医薬品は診断用にしか使えない

「より多くの5-ALAを摂取するためにアラグリオやアラベルを服用したい」と考えている方もいるかもしれません。しかし医薬品として販売されている5-ALAは、一般の方が私用のために購入することはできないものです。もちろん医療従事者であっても購入はできません。

また医薬品の5-ALAは、癌組織を可視化するために使われるものです。新型コロナウイルス感染症の予防に関しては効能効果を取得していないため適用外となっています。

まとめ

5-ALAをサプリメントとして摂取する場合、とくに大きな副作用は報告されていません。サプリメントは医薬品とは違い、栄養素を補うためのものなので副作用を心配する必要はあまりないでしょう。

ただし、体質によっては下痢や腹痛などの症状が出る可能性があります。また医薬品として使用されているアラグリオやアラベルでは、ASTやALTの増加、悪心や嘔吐などが報告されています。

アラグリオやアラベルを一般の方が自己判断で服用することはまずありませんので、健康維持のために5-ALAを摂取したいと考えている方は気にすることなくサプリメントを飲んでもらって問題ないでしょう

多くのサプリメントでは1日に25~50mgを目安に摂取するようにとなっています。多く摂取したからといって効果が高まるものではないので、製品ごとに決められた目安量を参考に摂取することが大切です。